EPS断熱建材ガイドブック
EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)を活用した断熱建材について、特長および技術データを、イラストや図表を使い分かり易く紹介してあります。EPSをもっと理解していただき、建物や設備などの設計・施工にお役立てください。
お知らせ&ニュース
- 2022.11.16 New
- EPS断熱建材と木質外装材の「防火認定」について、軸組に加え枠組み工法新たに取得しました。
- 2021.10.12
- 新EPS床断熱工法に根太サイズが追加されました。
- 2021.02.17
- 部位別熱貫流率表を掲載しました。
- 2020.10.31
- EPS断熱材と木質外装材の「防火認定」を取得しました。
- 2020.05.12
- 新EPS床断熱工法のご紹介。
- 2019.03.05
- 建築・建材展2019に出展します。
EPS断熱建材製造企業一覧
全国のEPS断熱建材製造企業をご紹介いたします。
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FAQ
- Q1.「EPS」って「発泡スチロール」と同じなの?
- A1.基本的に同じものです。
「EPS(Expanded Poly-Styrene)」は、1955年にドイツで本格生産が開始されたので、原料の名称であるStyrol(ドイツ語)から派生した「発泡スチロール」という呼び名で一般に親まれています。
また、Styrene(英語)に由来する「発泡スチレン」や「フォームスチレン」「発泡ポリスチレン」等々たくさんの別名があります。
- Q2.スーパーで見かける発泡スチロールのトレイもEPSの仲間?
- A2.優れた性質を持つプラスチックのスチロール樹脂(ポリスチレン)は、様々な形で皆さんの身の回りで役立っています。
この樹脂を発泡したトレイもEPSも化学成分はほとんど同じですが、それぞれ製法や発泡剤などが少しずつ異なる3兄弟といったところです。
【EPS(Expanded Poly-Styrene)】ビーズ法ポリスチレンフォーム
3~5mm程度の発泡粒子を金型内で融着して成形するので、様々な形状の成形体が得られます。着色されたものもあります。製造工程でフロンを一切使用していないこと、他の断熱材に比べてリサイクルが最も進んでいる点で、環境負荷が少ない断熱材です。
【XPS(eXtruded Poly-Styrene)】押出法ポリスチレン
ポリスチレンと発泡剤(炭化水素系が主流)を押出機内で溶融混合してスリットから連続的に押し出してできあがります。押出された発泡体は徐冷され裁断された後、板状にスライスした保温板として主に使われます。製造各社によって色が異なります。
【PSP(PolyStyrene Paper)】ポリスチレンペーパー
XPS同様、樹脂と発泡剤をスリットから押出して10倍程度に発泡しますが、厚さ数mmのシート状に引き延ばした後に加熱再発泡させ真空成型により、食品トレイなどとして使用します。
- Q3.EPSは、青色をした「スタイロ…」と同じものですか?
- A3. いいえ違います。「スタイロフォーム」と呼ばれるのは、ダウ化工(株)の商標で、発泡プラスチック系断熱建材の一般名称ではありません。EPSは、日本工業規格(JIS A9511)では、「ビーズ法ポリスチレンフォーム」という名称が採用されており、基材樹脂が同じでも製造方法 の異なる「押出法ポリスチレンフォーム(XPS)」と区別しています。
- Q4.EPSは燃えないですか?
- A4.EPS断熱建材は不燃材ではありませんが、難燃剤が添加されており、燃えにくくなっております。
⇒ EPS燃焼性試験、JIS規格と関連諸規格
⇒ EPS防火構造認定の技術資料
- Q5.EPSは燃えると有毒ガスが出るのですか?
- A5.建材で気になるのが火災時に発生する燃焼生成物の毒性です。EPSは不完全燃焼する時に黒い媒(炭素粒子)が多量に発生するため、とかく悪いイメージを持たれやすいのですが、以下に示した文献にも急性毒性を示す塩化水素(HCL)やシアン化水素(HCN)の発生は示されていません。
⇒ ガス有毒性試験
- Q6.EPSの断熱性能は?
- A6.EPSの断熱性能は密度によって異なり、JIS A 9511「発泡プラスチック保温材」に規定されています。
⇒ 保温板の性能ページ
- Q7.省エネ基準を満たす為のEPS断熱材の厚みは?
- A7.省エネ基準に基づき、断熱材の厚さは省エネ工法、施工部位、地域区分に応じ異なります。詳細は下記を参照下さい。
⇒ 構造材とEPS仕様の規定
- Q8.EPSは、発泡剤にフロンを使っているのですか?
- A8.EPSにはフロンは一切使用していません。EPSの発泡剤は、炭化水素で、主にカセットコンロやガスライターでおなじみ の天然ガス「ブタン」や原油成分である「ペンタン」などが使われています。
原料の樹脂を発泡させたあとの細かな気泡の内部は、ほとんど、空気であり、はじめから「フロン」は含まれていません。このため、EPS製品を廃棄しても、大気中へ「フロン」が放散されることはありません。
⇒ 熱伝導率の長期経時変化
- Q9.EPSの断熱性能は変化しますか?
- A9.EPSは炭化水素系発泡ガスを用いておりますが、製造後、短期間で大部分のガスは空気と置換される為、長期に渡って熱伝導率の変化が小さい断熱材です。
⇒ 熱伝導率の長期経時変化
⇒ 昭和基地無電棟に使用されたEPS断熱材
- Q10.EPSはF☆☆☆☆ですか?(ホルムアルデヒドが発生しますか?)
- A10.製造工程においてシックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドを一切使用しておりません。よってJIS A9511でも無試験でF☆☆☆☆ 表示可能となっております。
- Q11.EPSはグリーン購入適合商品ですか?
- A11.EPSは地球温暖化・オゾン層破壊に配慮したグリーン購入適合商品です。
- Q12.EPSはリサイクルされていますか?
- A12.発泡スチロールのリサイクルには現在3つの方法があり、再び私たちの生活の中で役立っています。
・マテリアルリサイクル プラスチックの原料として再資源化し、プラスチック製品等に再利用します。
・ケミカルリサイクル 熱や圧力を加え、ガスや油として再資源化し、燃料等に再利用します。
・サーマルリサイクル 燃焼させる事で、高い熱エネルギーを発生させ発電等に再利用します。
リサイクル実績、リサイクル拠点などの詳細については下記を参照下さい。
⇒ JEPSAホームページ
- Q13.EPSは直射日光にさらして大丈夫ですか?
- A13.長期間紫外線にあたると表面が劣化します。保管時は出来る限り直射日光をさけ養生シート等で保護して下さい。
⇒ EPS取り扱い上の注意事項
- Q14.EPSの使用上の注意は?
- A14.多くの優れた特性のあるEPSですが、使用にあたっては以下の点に注意して正しくご使用ください。
火気に対する注意事項
安全衛生
運搬・保管
リサイクル
詳細は下記リンクをご覧ください。
⇒ EPS取り扱い上の注意事項
- Q15.EPSに使用できる接着剤を教えてください。
- A15.EPSは、有機溶剤(アルコール類を除く)や石油類に侵されますので、接着剤には以下のものをご使用ください。
・水系接着剤
・酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤やアクリル樹脂系
・エマルジョン接着剤(アルコール類やノルマルヘキサンを溶剤に使ったもの)
・ゴム系接着剤(アルコール類やノルマルヘキサンを溶剤に使ったもの)
・エポキシ樹脂系接着剤
・ホットメルト系接着剤
・セメントモルタル系接着剤
・アスファルト系接着剤
・変性シリコン系接着剤
・ウレタン系接着剤
EPSの耐薬品性は低密度品ほど影響を受けやすいので、接着剤の選択の際にはご注意ください。
また、接着剤の内容物は、明記されていない場合があります。事前にテストするか、発泡スチロール用接着剤であることをメーカーに確認することをお奨めします。
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