用途
建材
海外で発泡スチロール(EPS)の用途として最も使われているのが建材分野です。大きな発泡スチロールブロックを所定の厚さにスライス加工して住宅の断熱材として使われています。この分野では、40年以上の使用実績があります。さらに、住宅版エコポイント制度などによりEPS建材の需要が増加しています。また、ボード形状だけではなく、使用部位に対応して、曲面や凹凸などさまざまな形状に成形できるというのが他素材にはない発泡スチロールの大きな強みです。さらに長期間にわたり、断熱性能の劣化が少ないというのも発泡スチロールの大きな特性です。この分野は現在、国内出荷量の1割強ですが、今後の大きな成長を期待する分野です。
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長期断熱性
長期にわたり断熱性能が劣化しないので、住宅を長持ちさせます。
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安全性
原料にフロンもホルムアルデヒドもアスベストも含んでいないため、数十年経ったEPS建材も安心して使い続けることができます。
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自己消火性
EPS建材は、難燃剤が添加された原料が使用されており、火源を取除けば燃えない性質を持っています。
南極・昭和基地の断熱材として活躍
発泡スチロールは、1957年第一次南極観測隊にて建てられた昭和基地の断熱材として使われ、最低気温-50℃の南極で隊員たちを守りました。40年後に南極の風雪に耐えたEPS建材を調査したところ、建築当初比べて断熱性能がほとんど劣化していないことが建築学会によって確認されています。
第一次南極観測隊昭和基地の建設風景
昭和基地壁面の断面
木製パネルの中に断熱材として使われたEPS建材
(発泡スチロール)
(船の科学館所蔵)