ビーズ法ポリスチレンフォーム断熱材は、他の断熱材よりも、より大きな曲げ強さを持っています。
EPSの圧縮強さは、JISでは10%圧縮ひずみ時の圧縮応力で規定しています。また、圧縮強さは密度に比例します。
EPSの圧縮ひずみは、5%ひずみを越えると急に大きくなる傾向があります。
発泡スチロールの長期安定性の中で、載荷時間に依存するクリープは重要な特性である。密度によって変わりますが、図は密度20kg/m3品に静的載荷を行った際の圧縮ひずみを経日的に測定した物です。
EPSの圧縮弾性率は弾性限界ひずみ内では種別によりほぼ一定であり、単位体積重量に応じて増加します。右図は一軸圧縮試験結果から求めた応力〜ひずみ曲線の初期接線圧縮弾性率と単位体積重量の関係を示した物です。図において型内発泡法のEPSは圧縮弾性率E=2,500〜11,500kN/m2の範囲にあります。
ポアソン比と単位体積重量の関係について測定した結果を、右図に示します。右図から単位体積重量が大きくなるとポアソン比も大きくなっています。
なお、EPSのポアソン比は微少な値のため、その測定方法および測定精度の管理に注意を要します。国内の各機関で実施されたポアソン比の測定値は0.07〜0.13程度であり、右図とよい対応を示しています。
また土木用途の構造計算では、ポアソン比は0.1としてつかわれることが多いです。
ビーズ法ポリスチレンフォームの線膨張係数は7×10-5
/℃で、固体ポリスチレンと同じです。製造時に熟成工程を経ているので寸法安定性は優れています。
また、施工に当たっては、若干収縮しても熱橋が生じないよう、保温材を2層、3層に合せ目をずらせて貼るように工夫する必要があります。
右表に、ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材の低温での寸法変化の一例を示します。なお密度19kg/m3以下の保温板4号は低温用に推奨できません。